Mediterranean Dining is Meteoric Rise in US ( 健康意識が高い米国では地中海ダイニングの人気が急上昇中)

連載

「CAVA」

一昔前まで、米国で健康的な食といえば寿司を代表とする日本食でした。しかしここ数年で急激にその座を奪いつつあるのが地中海料理です。

Health &Wellnessを主体にした米国最大の食品小売業Whole Foodsは、2018年度から地中海食が健康食の大きなトレンドになるだろうと既に予測していました。そして今、健康に対する意識が高いとされるミレニアム世代を中心に地中海料理への支持が上がっています。

風味豊かで内蔵のコンデションを整えるにも良いとされるサフラン、カルダモンや、ハリッサ、ターメリックなどのスパイスやミントを始めとするハーブ類と、トマトやキュウリ、ルッコラなどの新鮮野菜や、高たんぱくで低脂肪のチキンやラム肉やひよこ豆、全粒の穀物などにオリーブオイルをふんだんに混ぜて調理する地中海料理は、飽きの来ない味でカロリーが低いのが特徴です。地中海料理が特に注目される理由として、食事のルーティンに組み入れる事で手軽に生活習慣病を改善したり、予防できることが背景にあります。

カジュアルな地中海料理を提供

手軽に食べれるといえばグロサリー店で販売される総菜やファーストフードですが、地中海料理を提供するファーストカジュアルダイニング(米国発祥の食文化でファーストフードとファミリーレストランの中間のような業態)の中でも特に人気が急上昇しているのがCAVAというチェーンです。CAVAは2006年に3人のギリシャ人学生が米国で創業し、もとは地中海料理に使用するスパイスなどの素材を販売からスタートして、その後はフルサービスのレストランを開店したのですが、2010年にスナック菓子メーカーのトップが参入したことでチェーン展開に乗り出しました。全米中の人々が日々の健康に関して最も気を配ったコロナ渦からアフターコロナにかけて、CAVAの業績は大躍進を遂げ、コロナ前には60店舗前後でしたが、コロナ渦からの3年間で毎年約100店近くをオープンし、現在は22の州と首都のワシントンで約350近くの店をフランチャイズ無しに展開するという驚異的な成長を遂げています。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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