フランスの出産事情に変化(フランス 最新スパ&ビューティ 情報局)

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フランスの出生率は高いということで知られていたのですが、INSEE(フランス国立統計経済研究所)によりますと、その出生率がついに 2023 年は、1.68 まで低下してしまいました。先進国 G7での順位では、まだフランスが 1 位をキープしていますが、22 年と比べると6.6% 減、出生数の直近のピークである 2010 年と比較するとほぼ 20% の減少です。
フランスでは、家族給付の手厚い支給のほか、保育の充実、仕事と妊娠・育児の両立支援など、継続的な政策で成果を上げていたのに、なぜ下がってしまったのか?

低下の原因の一つとして考えられるのは、20 ~ 40 歳の出産年齢人口の減少と出産年齢の高齢化。母親の出生時の平均年齢はこの 10 年間で 30.2歳から31.2 歳に上がりました。周りを見ても、30 歳前で出産する女性は少なく、まずは仕事を充実させたいというのが 20 代の優先事項です。そしてパートナーを見つけ、2 人で住居を購入して、落ち着いたら出産を、というプランを立てる女性が平均的のようです。ピルの使用が一般的なフランスでは、できちゃった婚は少なく、計画的な出産が主流となり、年齢別出生率の変化は 25 歳~ 29 歳はマイナス2.7%、30 歳~34 歳はマイナス3.6%で、40 歳以上の女性のみプラス 3.3% となっています。

その他、フランスでは夫婦共働きが普通で、出産した後も前と同じポジションで職場復帰出来て、お父さんも育児休暇取得などでサポートしてもらえるなど、必要な仕組みは揃っているのですが、今の若い世代は仕事と育児の両立が経済的に困難だと考えたり、将来に不安を抱いて希望が持てなかったり、自由を尊重したいと子供を持つ数を減らしたり、女性の高学歴化が進み母親になる以外の将来像を優先するという変化も見られるようです。

生活スタイルも、考え方も目まぐるしく変わる時代に合わせた公的制度の充実が不可欠であり、安心して子供を産み、育てることが出来るという保証は大事ですよね。難しい問題です。

フランソワ雅子  Masako FRANCOIS (フランス・ニース在住)
エレガンス スパ&ビューティーアカデミー 日本人担当
来仏1年目で、全くの素人から美容の正しい知識を得るため、フランス美容国家資格CAP取得に挑戦し、合格。私でも合格出来たんだから、皆も出来る! っと日々、フランス留学・研修希望者を応援する日々
インスタ : @elegancefrancois  HP : https://www.elegance.fr/ja/

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