味の素“環境と肌にやさしい”アミノ酸系香粧品素材の開発に成功

製品・技術

味の素(株)(東京都中央区)は26日、同社独自のアミノ酸技術を活かし、生分解性の高い化粧品用マイクロプラスチックビーズ代替品の開発に成功したと発表した。同素材は、スキンケアやメークアップ化粧品等に幅広く使用される合成樹脂由来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を持ち、2022年度上期の上市を目指す。

近年、サステナビリティやESGへの取り組みの意識が高まり、環境への悪影響が大きい高分子プラスチックの使用禁止や削減に向けた規制が各国で強化されている。北米や欧州、アジアではマイクロプラスチックビーズを使用した洗い流せるパーソナルケア製品等も規制され、代替品に置き換わっている。

一方で、スキンケアやメークアップ化粧品に使用されるマイクロプラスチックビーズは、化粧品メーカー各社で代替品の開発を模索するも、肌触りや使用感を維持した代替品の開発が技術的に難しかったこともあり、日本を含む多くの主要国でいまだ使用の規制には至っていないという。

味の素では、アミノ酸に関する豊富な知見を活かし、主にメークアップ 化粧品用途に使用される機能性素材を提供しており、その一つである「アミホープ®LL」は、滑沢性の高い板状粉体としてフェースパウダーをはじめとする多くの化粧品に使用されている。同社はこの「アミホープ®LL」の機能を自然由来の球状粒子に付与することで、従来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を持つマイクロプラスチックビーズ代替品の開発に成功した。開発品は、プラスチックを使用せず自然由来の原料のみを使用しているため、生分解性が高く、環境への負荷低減に期待できるという。

同社は、2030年度までにプラスチック廃棄物ゼロ化および課題原料の持続可能な調達比率100%を目指しており、同素材の開発・上市はその施策の一環。今後も環境と肌に優しいアミノ酸系香粧品素材の開発を通じて、“地球環境への負荷の低減”と“生活者の快適な生活”への貢献に取り組んでいく。

 

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