「働く女性健康スコア2024」を発表 一問一答形式のチェック集も

業界動向

(1日に行われたトークセッションの様子。左から井上氏、佐々木氏、浜中氏、吉田氏)

働く女性のための街の保健室・まるのうち保健室は1日、賛同企業20社に従事する女性約3,900名を対象に健康状態を調査した「働く女性 健康スコア2024」の結果を発表した。また「健康スコア」をもとに、女性の健康課題や実態についてまとめた独自のチェック集「働く女性 健康スコア チェック 10」についても紹介した。

今回発表された「健康スコア」からは、周りの男性社員や、上司・同僚の理解、職場の雰囲気が、安心して女性の健康課題について話す環境づくりに必要なことが示唆された他、「生理休暇」をはじめとする休暇制度が現状十分に利用できていない実態などが浮き彫りとなった。加えて、月経困難症、PMS、更年期症状などの女性特有の悩みを抱える女性のうち「仕事に影響がある」と回答した女性が全体の88%に上り、特に40 代以上では、3人に1人が更年期症状と月経関連の症状の両方で仕事に影響があると回答。「いらだち」や「疲れやすい」等の精神的症状について、更年期症状で9割以上、PMSで6割以上が感じているという結果も明らかになった。

さらに男性社員へのアンケートでは、9割が「女性の健康課題について声をかけることに抵抗がある」と回答した一方で「勤務先も女性の健康課題に何らかの対処をすべき」という回答も9割に上った。

同日行われた「まるのうち保健室 ウェルネストーク」には、プロジェクトの企画運営を担当する三菱地所株式会社 エリアマネジメント企画部 まるのうち保健室プロデューサー 井上友美氏、神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科教授の吉田穂波氏、クレアージュ東京 レディースドッククリニック 総院⻑の浜中聡⼦氏、フジテレビ アナウンサーの佐々木恭子氏が登壇し、トークセッションが行われた。

井上氏は、月経やPMS、更年期症状などが仕事に及ぼす影響について触れ、「女性の離職を防ぐ上でもマストで対応していかなければいけない課題」だとし、改めて女性の働く環境づくりの重要性に言及した。また吉田氏は今回発表した『健康スコア』について「数字として見える化したことは社会にとって影響が大きい」としつつも、「実際の数字はもう少し大きいのではないか」との危機感も示した。

また今回、健康スコアの取り組みを通じて判明した課題や広く知ってもらいたい実態について、一問一答形式でチェックできる「働く女性 健康スコア チェック 10」がまとめられた。「女性の健康課題」「セルフケア」「就労環境」、それぞれの領域において、性別や役職に限らず課題に向き合うきっかけづくりとし、社員のリテラシー向上や企業環境改善に役立てていくような活用を予定しているという。

「働く女性 健康スコア」は、(株)ファムメディコと神奈川県立保健福祉大学協力のもと、これまでの調査では把握しづらかった「女性特有の健康課題」、「ヘルスリテラシー」、「セルフケア」、「就労環境」、「生活習慣」の5つの領域を数値化し、企業やコミュニティにおける女性の健康課題を明らかにする取り組みだ。調査報告は各企業にフィードバックされ、その結果をもとに賛同企業同士でワーキングを実施し、課題の共有や解決策についてディスカッションすることで、新たな施策や制度の導入につなげることを目的としている。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP