下北半島のヒバの森と温泉でココロとカラダを元気にする旅

連載

地域の美と健康が動き出した【第45回】(青森県)

本州の最北端、まさかりの形をした下北半島の突端が、マグロで有名な大間です。この地で、地域密着型の体験ツアーづくりを行っているのが、Yプロジェクト㈱。まちおこし活動家として活躍してきた島康子社長は、2014年に津軽海峡マグロ女子会(通称マグ女)を立ち上げ、現在メンバーは92名。津軽海峡を取り囲む北海道側・青森側の仲間たちと、「海をつなぐ寄り道旅」の開発に挑戦してきました。自然や食、歴史、ローカル鉄道などの固有の地域資源を活かして、20~30の体験プログラムやツアー・イベントに仕立て、2016年から「マグ女のセイカン博覧会」を実施してきました。

森のベッドで木漏れ日を浴びる

その取組みの中で、島社長を始めとする下北のマグ女メンバーは、半島内にある2つのエリアに注目。一つは、青森ヒバの森がある奥薬研(おくやげん)。携帯がつながらないほどの森であることを逆手にとって、鳥の声や渓流の音に耳を澄ませ、森林鉄道の跡を辿りながら森歩きをする数時間で、デジタルデトックスしませんか、と呼びかけました。

もう一つは、津軽海峡に面した昭和の風情が残る下風呂(しもふろ)温泉。デトックス効果のある温泉の力と、目の前の漁港に揚がる魚介や海藻を使った高たんぱく低カロリーの食事を組み合わせて、1泊2日のツアーを企画。働きざかりの女性をターゲットにした「美アップハイスクール」です。下北半島のヒバの森と温泉で、よみがえる旅として、マグ女自らがガイドとなり、心地よい時間を提供しています。健康経営を目指す企業さまの福利厚生や社員研修、ワーケーションにもご活用いただいています。
この2つのコンテンツのターゲット設定や方向性を模索しているうちに、従来通りの観光ではなく、自然体験でもなく、旅を通じて心と体を健康にする「ヘルスツーリズム」の考え方に辿り着きました。奥薬研と下風呂にある健康につながるパワーを「森」「湯」「食」「潮」という4つ の切り口に整理。ツアーを通して、健康・休養・栄養という健康の3要素を満たす体験をしていただき、ココロとカラダを元気にするよう再構成したツアーを提供しています。

※青森県下北半島 マグ女のウエルネスツーリズム「下北半島のヒバの森と温泉でよみがえる」

https://yproject.co.jp/wp-content/uploads/2021/06/wellness.pdf

(独)中小機構東北本部 中小企業アドバイザー(経営支援)

建部 幸一

組織や産学官連携活動等の実務経験を活かし、新事業や新商品開発他、幅広い支援を実施。

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