第4回「日本サービス大賞」 美容情報や健康増進、メンタルヘルス、睡眠、地域創生分野などで受賞

業界動向

日本生産性本部・サービス産業生産性協議会は6日、革新的で優れたサービスを表彰する第4回「日本サービス大賞」の発表および授賞式を実施した。今回、地域課題の解決や次世代の地域社会を提案する事業に贈られる地方創生大臣賞に、民間主導による街づくり事業に取り組むヤマガタデザイン(株)が選ばれた他、優秀賞では口コミサイト「@cosme」を運営する(株)アイスタイルなど、美容・健康関連企業からの受賞も含め全30社が受賞した。

ヤマガタデザイン(株)は、山形県の庄内平野で“晴耕雨読の時を過ごす、田んぼに浮かぶホテル”をコンセプトとする宿泊施設「SUIDEN TERRACE」を運営する。同施設は庄内平野の田んぼの風景に本質的価値を見出すことで、そこでしか味わえない宿泊体験を創出した。授賞理由は、“観光”、“教育”、“人材”、“農業”の4カテゴリー、8つの街づくり事業に分け、新たな雇用の創出や定住者の増加を促進している点や、地域資源を最大限に生かした取り組みで、共通課題を抱える全国の地方都市にとっての参考モデルになっていることなどが評価された。

また「@cosme」は、消費者のクチコミ投稿から商品情報のみを抽出し、アルゴリズムを使ったランキングシステム、ユーザーの匿名性を保持することで公正・健全なプラットフォームを実現している点や、WEBメディア、EC、リアル店舗の3事業展開で、「生活者中心の市場を創造」し、コスメ業界の活性化や価値共創型事業の成功例となったことなどが評価され、優秀賞を受賞となった。他にも、生命保険と健康プログラムのセット加入で、日々の幅広い健康増進活動をポイント評価する保険「Vitality」(住友生命保険(相))や、産業医業務を標準化するメンタルヘルスに特化したクラウド型サービス「ELPISシリーズ」((株)メンタルヘルステクノロジーズ/(株)Avenir)、一人ひとりの体型に合ったオーダーメイドの寝姿勢を含めた自動計測する非接触計測システム「ピマピッタ」(西川(株))などが、優秀賞に選ばれた。

日本サービス大賞委員会の委員長を務めた産業戦略研究所代表の村上輝康氏は「今回、新型コロナ対応サービスが多くなるかと予想されたが、その先にある地球環境やサスティナビリティ、少子高齢化、医療、福祉、健康問題、産業や地域の推進など、大きな課題に取り組む企業が多かった。またデジタル技術を活用したサービスが全体の8割を占めたことや、グローバル活動が困難な状況下でも果敢にグローバル化に挑戦する企業が多かったことなども特長的だった」と総評を述べた。

「日本サービス大賞」は2015 年に創設され、サービス産業の生産性向上をより一層推進するため、日本全国の優れたサービスを隔年で表彰している。

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