Influencer-Marketing Driven Beauty and Wellness Brand(ビューティ&ウエルネスブランドのインフルエンサーマーケティング)

連載

五十嵐ゆうこのCatch up the Beauty Trend of USA   Vol.107

近年は新聞や雑誌などの紙媒体を読まなくなりテレビやラジオの視聴も減りました。そしてコロナ渦で長引く巣ごもりはネットを見る時間を圧倒的に増やしました。特にその中でもミレニアル世代は、一日に少なくとも4時間という時間をメールを書きながらNetflixをストリーミングしたり、ゲームをしたり、音楽を聴いたりするマルチタスクに費やしています。また殆どのタスクでは完全に集中する必要がないので注意を分割しています。ミレニアル世代の人口は米国全体人口の1/3以上を超えました。そして一年間に購買を行う金額は2000億ドル(約2兆円)を超えるとされています。仮にこれらの世代から100%の注意をひきたい場合は、よほど刺激的で短い動画や写真でないと簡単に無視し、忘れ去ってしまうでしょう。したがってミレニアル世代をターゲットにマーケティングを行うとしたら一秒一秒の瞬間が重要なのです。そんなデジタル世代に向けての販促で大きな役割を占めているのが、インフルエンサーを通したマーケティングです。

ビューティ&ウエルネス業界でもインフルエンサーによるマーケティングは、新しい商品の紹介やイベントなどの配信にも効果を発揮しています。直近のニュースでは、2021年3月3日にユタ州ソルトレイクシティ拠点の美容メーカーのEverra社は、ビューティ&ウエルネスブランドを始めて一年以内で、米国、カナダ、英国で13,000人を超えるインフルエンサーと協力して新商品の販売拡大に成功。先月2月の初めには、Everra社とのコラボレーションを待ち望んでいた何百人にも及ぶ人々がいたオーストラリアとニュージーランドへもインフルエンサープラットフォームを拡大しました。同社のブランドは “I Am” (私は~だ)というテーマのシリーズで、“I Am Beautiful(私は美しい)”、“I Am Strong(私は強い)“、”I Am Enough(私は満ち足りている)”等の、肯定的な意味を含んで名付けられており、インフルエンサーらはSNSやYou Tubeなどを通した媒体でEverra社のブランドを使用する自らの言葉を発信します。昨年10月の乳がん啓発をサポートする”I Am A Survivor(私は癌を克服しました)”という名称のアイラッシュのリリースはインパクトがありました。このようにインフルエンサーを通してデジタル世代の関心を引くマーケティングは広告媒体を使用した宣伝よりも効果的なケースが増加してきています。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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