世界最大の電子機器展示会CES2022(Consumer Electronics Show 2022)

連載

例年ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大の電子機器展示会CESへ行って参りました。本年度はオミクロン株の急拡大の影響もあるのか元々の日程である1月5~8日の4日間を急遽1日短縮した3日間のショーとなりました。それでも昨年はパンデミックにより来場者を入れずに完全デジタルで行いましたので、本年度は2年ぶりの対面形式と同時にオンラインでも開催されました。それでも入場結果の発表によれば、800のスタートアップを含む2300以上のブース出店と4万人以上の来場者を記録し、うち3割は119か国におよぶ米国外の国から来場したそうです。

最先端のスリープテックが注目を集めた

今年一番目に付いたのは ”Sleep Tech (睡眠を助ける技術)”でした。睡眠の改善は免疫力を高め、ダイエット効果もあるそうで、ハイテクマットレスはもちろんのこと、ウエアラブルの腕時計と連携して睡眠状態と健康をサポートするアプリから、個々の睡眠状態に合わせていびきを改善する枕まで様々な新商品が登場していました。

またヘルス&ビューティ業界で今話題となっている、女性の健康課題をテクノロジーで解決に導く”FemTech(フェムテック)”で目を引いたのは、セルフで行える尿チェックとウエラブルが連携して、正確な体の状態を常にトラッキング出来るシステム。さらに更年期や出産後の女性が骨盤底筋の衰えで生じる尿漏れを、パルスによってセルフで骨盤底筋を強化して防ぐデバイスでした。

コロナ禍を象徴するサービスも

そして時期的にも注目を集めていたのが、バイオセンシング技術を駆使して所定の空気を分析し、その中に含まれるたんぱく質の違い等を認識してウイルスの検出を行い、コロナウイルスを感知した際には警報を鳴らし、同時に除染するシステム”ViraWarn”でした。これは新型コロナだけではなく、その他の毒性ある化学物質や煙なども検出できるので、高齢者施設や病院、学校、閉鎖された空間となる航空機内などで優先的に導入を進めるそうです。

今年 は残念ながら予定の出展数より500程少なかったのですが、それでもHealth & Beauty業界における最新のテクノロジーを垣間見れたことは大変ラッキーでした。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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