たまご肌・もち肌づくりの旅 ~島根県雲南市・清嵐荘の新たな美肌宿泊プラン~

連載
源泉は出雲湯村温泉。出雲國風土記の時代から、今もなお変わらぬお湯がわき続けており、里山風景と満点の星空を眺めながらくつろげる。(上記写真)

 

地域の美と健康が動き出した【第51回】(島根県)

出雲空港から車で約40分の雲南市にある清嵐荘は、1300年前の出雲國風土記に「漆仁の川辺の薬湯」と記載されている歴史ある良質な温泉や里山の自然豊かな落ち着いた風情が自慢の宿である。

島根県が「美肌県」として美肌観光を推進しており、清嵐荘でも新たな女性客の獲得を目指し、今年度美肌に関する宿泊プランを造成した。

地元産の卵や餅を使いつつ、野菜はたっぷり、油脂は少なめ、タンパク質がしっかりとれる料理を提供。

プランテーマは「たまご肌・もち肌づくりの旅」。雲南市は養鶏の盛んな地域であり、清嵐荘を運営している㈱吉田ふるさと村が「元祖たまごかけごはん専用醤油・おたまはん」を製造した会社であること、また、おいしいお米の産地である雲南市吉田町産の杵つき餅が当社の代表的な商品であり、卵と餅にかかわりが深いことと、美肌を表現する言葉として用いられる「たまご肌・もち肌」を関連させて設定した。今回のプランでは、卵と餅を使いつつ地域にある美肌に良いとされるその他食材も活用した料理・スイーツを提供している。さらに、美肌宿泊専用客室を設定し、部屋で美肌ケアが提供できるよう自社スタッフに美肌スペシャリスト・セラピストの資格取得をさせている。その他、朝ヨガや酒風呂体験などもあり、美肌に特化したプランとなっている。

実は、清嵐荘は令和元年にリニューアルオープンした直後にコロナ禍となり、集客に苦戦した経緯がある。そのため、中小機構の専門家派遣制度を活用してwith&afterコロナ対策について検討を重ねてきた。今回の新商品開発もその一環であり、ターゲットやコンセプト設定、集客方法等について専門家から助言をもらった。このほか、清嵐荘が目指すべき姿を改めて設定し、行動指針を共有化するなどの接客・サービス品質向上に関する助言ももらい、従業員教育に役立てている。

おっちらと(島根県の方言:ゆっくりと、ゆったりと)楽しむ新たな美肌宿泊プラン。ぜひ体験いただきたい。

(独)中小機構中国本部 中小企業アドバイザー(経営支援)

小倉 綾

百貨店に入社後、店長として新規ショップ立ち上げなどを経験。現在は中国地方の観光、食品・雑貨製造企業の支援を行う。

 

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