自然の力を感じるフレグランスが主流に(Fragrance Will Become a Force of Nature )

連載・インタビュー

2010年ニューヨークを拠点に創刊したヘルス&ウエルネス専門のオンラインマガジンWell +Good社はホームフレグランスやパーソナルフレグランスの両方で、大自然からインスピレーションを得た香りの人気が高まっており、2022年も引き続き同様の商品が続々と発売されると述べています。

フレグランス商品の注目が高まっている

そのいくつかを例にとりますと、2021年の夏にUrsa Major  Skincare社と非営利活動法人Parks Projectの共同で、アメリカの伝説的な有名国立公園の香りがする石鹸を発売し人気を集めています。また気候変動に焦点を当てたブランドのThe Air Companyは、地球の最も重要な要素である空気、水、太陽光からインスピレーションを得たジェンダーレスコロンでパーソナル・フレグランスデビューしました。またHeretic Parfum社からは『日本の森林浴をボトルに詰め込んだ』と表現される、深い樹木の香りが豊かな植物由来のフレグランス “Dirty Hinoki” を発表しました。

ホームフレグランスブランド“Illume”とパーソナルフレグランスブランド“Good Chemistry”でフレグランス・ディレクターをつとめるグレッグ・ページ氏は「この2022年は、現実逃避と自然とのつながりという考え方が非常に強いテーマであることは間違いありません。フレグランスには技術や調合によって、文字通りインパクトを与え、気分を高揚させるような、興味深いことを行っています。また土の香りを調合することで、気分を高揚させ、外にいることで得られるストレスの緩和やヒーリング的要素を持つようになります。本年度は大自然のトレンドがさらに進化し、フレグランスブランドはアウトドアの香りだけでなく、自然の中で過ごすことで心身が癒されるような体験をボトリングすることを目指します」と語っています。

3年前にペンシルベニア大の研究で、大自然に触れると『うつの症状』が緩和されたり、患者が減少すると言う発表をし、この地域で緑化計画を進めたことが評価を得ました。長く続いた新型コロナウイルスの感染でメンタルヘルスの問題が深刻な米国のみならず社会全体で、香り効果の需要がさらに高まっています。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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