フェムテック議連 不妊・妊活に関する提言案提出へ

業界動向

フェムテック振興議員連盟(会長:野田聖子議員、事務局長:宮路拓馬議員)は18日、昨年5月から6回にわたって総会で議論されてきた不妊治療・妊活支援の内容をまとめた提言(案)について、意見交換を行った。月内には提言をまとめ、政府及び関係省庁等への提出を予定しており、今年6月に閣議決定される骨太の方針に盛り込みたい考えだ。

同議連では昨年3月に生理に関するフェムテック関連製品の普及に向けた政策提言を取りまとめ、関係省庁に提出。これを受け、6月に閣議決定された骨太の方針にはフェムテックの推進を図る文言が記載され、フェムテック事業者と行政によるワーキンググループの開催や実証事業の実施などにつながっている。

今回2回目となる提言(案)では、不妊治療・妊活の当事者が直面する3つの壁、専門のクリニックや医師の不足による物理的な距離の問題や当事者自身の知識不足による精神的なハードルによる「アクセスの壁」、治療や妊活と仕事の両立が困難なことから生じる「金銭の壁」「機会の壁」を如何に乗り越えるかについて、具体的な方策が提起されている。1つに事業主等の取り組みを促進するための取り組みの強化や評価制度の見直し、また当事者自身の健康課題への意識を向上させるための健康診断の項目の見直しや市町村による啓発活動や社員研修などの強化。フェムテック関係事業者や大学、医療機関による調査研究や適正な形でのデータ活用による新たな政策やサービスの開発に、データ共有による専門医と近隣のかかりつけ医が連携した取り組み。さらに女性の健康課題が社会経済における影響について国主導での調査の実施などを掲げる。

総会では、「今後、商業ベースになっていくことで利用者のメリットが後回しになる可能性がある。その際に対処するためのシステムの構築についても触れるべき」「性差をいろんな形で考えていかなければならない。女性だけでなく、男性の観点も入れることで、市場はもっと拡大する」など、参加者からも追加で様々な意見が出された。

野田会長は「いままで日本人が学んでこなかった領域をいまつくろうとしている。不妊治療や女性の性、また性交についても誰も学んでこなかった。そんな中で棄損してきたものはたくさんある。私たちが教科書をつくっているとの思いで取り組んでいければと考えている」と話した。

同議連では3つの柱を掲げており、次回総会からは参加者から要望の声も多かった更年期に関する議論に取り組んでいく。

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