(写真)一福庵(旧大宮本店)
地域の美と健康が動き出した【第61回】(埼玉県)
㈱河村屋は江戸時代後期文化文政の時代より日本の伝統的な食文化である漬物を製造・販売しています。以降200年もの間、厳選された国産野菜を使い、手作りの製法を守りながら、伝統的な漬物、旬の野菜を使った漬物を作り続けてきました。
同社の一番人気は玉ねぎをまるごと漬けたお漬物です。シャキシャキ甘くて美味しく仕上げる独自の製法があります。玉ねぎのお漬物が誕生しておよそ20年以上たちますが変わらず、一番人気の商品として現在も展開しています。
一方でここ10年程の間に、消費者の食の志向が大きく変化しました。とくに健康志向を重視する方が増えてきています。
そこで、お客様のニーズをとらえた味のバリエーション強化が必要と検討し、新商品「はれやか薬膳シリーズ」を開発するに至りました。同商品は薬膳の考えを取り入れ、女性特有の悩みをテーマにした商品開発を行い、好評を得ています。現在は、喉の不調や皮膚の乾燥が気になる方へおすすめの「うるうるケア」、イライラや憂鬱などストレスを感じる方におすすめの「うきうきケア」、冷えを感じる方におすすめの「ぬくぬくケア」、夏バテや食欲不振の方におすすめの「さらさらケア」の4種類を展開しています。商品開発には外部の国際中医師を含めた社内プロジェクトチームを立ち上げ、薬膳の考えを取り入れながらも、おいしい商品の開発を1年以上かけ行い、テストマーケティング期間を経て販売開始しました。
革新は商品開発だけではありません。予約開始とともに満席になることもあるぬか漬け教室の展開や、非対面でもできるよう「テキスト」「ぬか床育成手順書」、「質問用問診票」「動画」がセットになった「まじめに育てるぬか床キット」も人気商品です。
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた直販店もありますが、伝統と革新による新たなチャレンジは今後も続きます。
㈱河村屋 https://www.kawamuraya.co.jp/
(独)中小機構関東本部
中小企業アドバイザー(経営支援) 菅生將人
地域新商品・新サービス開発支援にて新事業創出と事業化を支援。中小企業診断士・調理師
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