「フェムケア・フェムテック」市場に続き「オムケア」市場も拡大へ

業界動向

(株)富士経済が先月23日に発表したウェアラブル/ヘルスケア機器、システム・サービスの国内市場調査によると、生理や月経、妊活、産後、更年期など、ライフステージごとに女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」製品・サービスの2023年の市場規模は59億円で、前年比3.5%の増加となった。また先月11日には女性特有の健康課題に対応するフェムケアに加え、男性特有の健康課題に対応するオムケアを加えたサプリメントの2023年の市場規模は689億円、さらに2030年に890億円へと拡大すると予測している。

フェムケア・フェムテックの市場は、メディアの特集による認知度向上や参入企業の増加により、各品目で伸長しているという。フェムテックでは、生理日や排卵日の予測、更年期に対応する健康管理支援サービスが市場全体の5割を占め、オンライン診療(ピル処方)についても、参入企業の増加やTVCMなどによる認知度向上で大きく伸びているという。今後は、特に血液や尿などの検体を用いて、健康状態やがんリスクを検査する簡易検査サービスが、ドラッグストアでの販売増加が見込まれるという。フェムケア対応のサプリメントでは、エクオールを原料とする更年期ケア商品の2023年市場規模が191億円で、商品の増加や認知度の高まり、医療機関や調剤薬局などへのチャネル開拓が進んだことで堅調に規模を拡大しているという。また、PMSケアを訴求するサプリメントは、これまで長年にわたってPMSは「我慢するもの」という風潮があったが、啓発活動などで女性の意識が変化してきたことで、2030年には2023年の市場規模である8億円の4.3倍の34億円に拡大すると予測する。

一方、男性機能改善・男性ホルモンバランスサプリなどのオムケア対応サプリメントでは、女性の妊活サプリの需要増加の相乗効果を受け、男性妊活サプリ市場の拡大が期待できるという。現在、オムケア対応サプリの市場規模は10億円に満たないが、参入企業の増加や消費者の関心の高まりから、今後、ますます市場は拡大に向け好調に推移していくと予想している。

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