『紅たで』の細胞内酸性化能を活かした化粧品原料を開発

製品・技術

化粧品開発とOEM製造を行う(株)サティス製薬(埼玉県吉川市)は、刺身のつまや薬味などに使われる「紅たで」から、シミやそばかすの原因となるメラニン生成を抑制する化粧品原料『紅たでフラボノイドS』を開発した。

紅たでは日本原産の伝統野菜で、休耕田や川原に自生する湿生植物とされる。同社は、湿生植物の一部に特異的に存在するフラボノイド硫酸といわれる酸性ポリフェノール成分が紅たでにも豊富に含まれることを発見。このフラボノイド硫酸の細胞内酸性化能の働きに着目した。

皮膚のシミの元となるメラニン色素は細胞小器官・メラノソームで生成されるが、このメラノソーム内でメラニンを作りだす働きをもつ酵素・チロシナーゼは酸性化すると活性が低下することが分かっている。そこで、紅たでの持つ細胞内酸性化能を引き出すことで、メラニンの生成を抑制する化粧品原料を開発した。

紅たでは家庭での利用が一般化していないため、コロナ禍による飲食店需要の低下で、出荷量が大きく減少。厳しい状況に置かれている。今回、美容素材として「紅たで」の新たな付加価値が生み出されたことで、需要の拡大を期待している。

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