米国・ナチュラルプロダクト 人気高まるPlant-BasedやCBDの商品増加

業界動向

カリフォルニア州アナハイム市のコンベンションセンターで3月~12日に開催された世界最大級のナチュラルプロダクツの展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ ウエスト」。今回、3年ぶりのリアル開催となり、世界各地から2,700以上の企業が出展、約60,000人が来場した。久しぶりの人を入れての展示会ということもあり会場は熱気にあふれた。

肉の高騰で進む“Plant-Based”

今回特に目立ったのが“Plant-Based(プラントベース)”。現在米国の主食である肉の値段が高騰し、“Meatflation (食肉のインフレーション)”と呼ばれる現象が起きており、さらに過去 15 年間で自分をビーガンだと思う米国人の数は、3,000%以上 急増しているとの報告もある。

Plant-basedで魚も代用

こうした動きを受け、“Plant-based”を用いた商品化が幅広く進み、チーズやベーコン、アイスクリームなど、乳製品を使わない代替品も会場のいたるところで見受けられた。実際に展示会場を視察した流通ヘルス&ビューティコンサルタントの五十嵐ゆう子氏は「“Plant-based”食の商品は改良が進み、本当に美味しく、どこのブースで試食してもかなりハイグレードだと感じた。一番驚いたのは、マグロとサーモンをPlant-basedで代替えしたお寿司で、味も触感も言われなければ絶対にわからない完成度だった」と話す。

さらに展示会内のライフスタイルエリアでは、SDGsへの関心の高まりを受け、環境の保護を意識した界面活性剤不使用のコスメとともに、“Plant-based”素材で作られるコスメも存在感を示していた。

22年CBDは14憶ドル市場に

CBDは様々な商品展開が進む

数年前から話題のCBD(カンナビジオール)の展示も目立った。ライフスタイル商品では、オイルを混ぜたスキンケアアイテム、ボディークリーム、関節の傷みを軽減する商材からバスソルトまで展開を拡大。さらにCBDを含んだ水やソーダ、ジュースも人気だという。「米国ヘルス&ウエルネス市場におけるCBDの成長は目覚ましく、2018年8600万ドル(約95億円)だった市場は2022年に11億ドル(約1200憶円)、2023年14億ドル(約1500億円)になると予想されている」(五十嵐)。

またCBDの次に並ぶ注目のハーブとして、アーユルヴェーダでよく知られるナス科植物のアッシュワガンダも人気を集めていたようだ。

その他、動物性コラーゲンに比べてアレルギーや匂いが少なく、肌への吸収率も高いとされるマリンコラーゲン(魚のウロコや骨、皮を原料としたコラーゲン)がスキンケアやヘアケア原料として注目を集める。

日本の“抹茶”や“柚子”も人気

また嗜好食品においては、今後ユニークな機能性素材を取り入れた製品の増加が予想される。アダプトゲン、キノコ類、オメガ3 やオメガ9といった不飽和脂肪酸やバターから不純物を取り除いた純粋油のGhee等の“ヘルシー・ファット”、そして善玉菌を増やす作用のあるプレバイオティックス。そうした目的志向の高い素材を含む食品や飲料、冷凍食品、スナック菓子なども多く紹介された。

日本からも通常時より出展は少ないものの、サプリメントやスナックまで幅広く活用されている抹茶や、最近人気が上昇中の柚子などが来場者の目を引いていたようだ。

次回の2023年の開催は同じくアナハイム市コンベンションセンターで3月7日から11日までを予定している。

 

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