免疫力をサポートする「酢酸菌」の最新研究を発表

業界動向
(写真)右から前橋健二氏、石原新菜氏、榎本美沙氏

専門家の知見や最新研究の発表を通じて酢酸菌の健康作用に着目した情報発信を行う「酢酸菌ライフ」主催による「にごり酢「酢酸菌」の免疫生活セミナー」が29日、都内で開催された。

世界最古の調味料ともいわれる酢は、食はもとより生薬にも用いられ、腸内環境の改善や内臓脂肪の減少、血流改善など、様々な健康効果で知られている。その酢の主成分の酢酸を生成するのが酢酸菌で、発酵菌の中でも希少なグラム陰性菌に分類され、免疫細胞を活性化する特有の成分「LPS(リポ多糖類)」を保有する。通常は酢づくりの際にろ過されるため、製品化された酢の中にはほとんど含まれていないという。

東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授の前橋健二氏は、酢酸菌がどのような食品に含まれているかを研究しており、セミナーでは酢酸菌の特徴を紹介するとともに、酢酸菌を含む食材について紹介。近年伝統的な製法で酢酸菌を残した状態の「にごり酢」や酢酸菌を含む「コンブチャ」を製造する蔵元が増えており、「酢酸菌の健康価値が再発見されつつある」と語った。

イシハラクリニック副委員長の石原新菜氏は、酢酸菌の最新研究を発表。体全体の免疫を司る「プラズマサイトイド樹状細胞」の活性化や、インフルエンザウイルス増殖の抑制、風邪や花粉症の症状緩和、乳酸菌との併用による相乗効果で倍以上の免疫活性効果を発揮するなど、研究結果を報告した。

また、料理家・発酵マイスターの榎本美沙氏は、にごり酢と乳酸菌の相乗効果が期待できる「にごり酢甘酒ラッシー」や、食物繊維や鉄分を豊富に含む切り干し大根と組み合わせた「切り干し大根のにごり酢はりはり漬け」など、にごり酢を使った免疫アップレシピを新たな食生活の選択肢として提案した。

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