期待の市場「フェムケア・フェムテック」

業界動向

9月に開催された美容と健康の総合展示会「ダイエット&ビューティーフェア2021」では、生理や妊娠・妊活、更年期など、女性特有の不調や悩みをサポートする「フェムケア・フェムテック」をテーマにしたイベント・セミナーが多数行われた。同産業は世界規模で市場が拡大し、2025年には5兆円、日本国内では1.4兆円に達すると言われるなど、今多くの企業が熱い視線を注いでいる。

2兆円の経済効果

同展で初開催となったフェムテックシンポジウム。冒頭に、昨年発足したフェムテック振興議員連盟事務局長の宮路拓真氏が登壇。「女性特有の健康課題による労働の機会損失や医療費負担の総計は 6.37 兆円に上る。それをいかに圧縮できるか。非常に可能性の大きい分野だ」と挨拶した。
続けて経済産業省の川村美穂氏が、昨年度行われたフェムテック実態調査の結果を発表した。現状の課題として、① 商品の安全性・信頼性、②データの活用によるプライバシーの担保、③研究開発、産業創出支援の 3 つを課題として挙げた。またフェムテックにより、健康課題が解決した状態で女性が社会参画した場合の経済効果(給与相当分で試算)について考察した。(左図参照)

ディスカッションでは働く女性の QOLをサポートする “まるのうち保健室” の活動に取り組む三菱地所の井上友美氏と、 LINE を活用した妊活サポートサービスを行うファミワンの石川勇介氏が登壇。両社が9月~ 12月にかけて実施する「ファミワン×まるのうち保健室」のウェルネスプログラムの取り組みなどを紹介した。「フェムテックという言葉が広がり、女性自身がそこに向き合う機会が生まれ、社会の空気感も変わってきた。そこに期待する一方で、言葉が先走り、当事者の女性達が置き去りにならないよう注意する必要がある」と井上氏は語った。

DIET&BEAUTY 秋号より抜粋 続きはこちらから

 

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