別府市が実証実験の中間報告で 温泉の疾病リスク減少を発表

業界動向

中間報告する九州大学都市研究センター長の馬奈木俊介氏(上記写真)

大分県別府市と九州大学都市研究センター、別府市旅館ホテル組合連合会の三者が取り組む温泉療養効果に関する「免疫力日本一宣言」実証実験の中間報告が発表された。分析結果によると温泉に一定期間入浴することで、対象者に疾病リスクの減少が見られたという。

温泉の効果を科学的に実証して「免疫力日本一宣言」を目指そうと、今年4月に三者による包括連携協定が締結され、同プロジェクトはスタートした。今回九州大学都市研究センターが、腸内細菌叢のゲノム解析技術を利用し、温泉入浴による療養効果の測定を実施。温泉入浴前と一週間温泉に入浴した後の疾病リスクの変化について、参加者の実験参加前後の疾病リスク値の平均値を比較、分析した。

4つの温泉質「塩化物泉」「単純温泉」「炭酸水素塩泉」「硫黄泉」と男女別に分けてデータを解析したところ、それぞれ異なる疾病リスクの改善が見られたという。男性は「塩化物泉」と「単純温泉」で痛風、「炭酸水素塩泉」で前立腺がん、「硫黄泉」で肝臓病の疾病リスク減少効果が最も高く、女性では「塩化物泉」で、不整脈が最も高い減少となった。

今後データサンプル数を増やすことで、2022年度中を目途に学術論文の発表を予定している。

 

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