別府・温泉の効果を科学的に実証 泉質・男女別で異なる疾病リスクの減少を確認

業界動向

大分県別府市は3日、九州大学都市研究センターと別府市旅館ホテル組合連合会の三者が取り組む温泉療養効果に関する「免疫力日本一宣言」実証実験において、温泉の入浴によって「疾病リスク」と「腸内細菌叢」に変化が生じることを確認したと発表した。

同プロジェクトは、温泉の効果を科学的に実証して「免疫力日本一宣言」を目指すことを目的に、昨年4月に三者による包括連携協定が締結され、スタートした。

図1. 統計的有意に疾病リスクが減少した疾病

実証では、参加者に5つの泉質の温泉「塩化物泉」・「単純温泉」・「炭酸水素塩泉」・「硫黄泉」・「硫酸塩泉」に入浴してもらい、九州大学都市研究センターの腸内細菌叢のゲノム解析技術を利用し、実験参加前後の疾病リスク値の平均値の差の変化を分析した。腸内細菌叢は様々な疾病との相関が報告されており、疾病リスク悪化要因となる腸内細菌が増加することで、疾病リスクが増加し、一方で、疾病改善・緩和要因の腸内細菌が増加することで、疾病リスクの減少が見込まれるため、腸内細菌叢の各細菌の占有率の変化から疾病リスク増減の要因の分析として用いられた。

分析結果によると、入浴前後で泉質別・男女別で異なる疾病リスクの減少が見受けられた。疾病リスクの変化に統計的に有意な結果が出たものでは、単純温泉に男性が入浴すると「過敏性腸症候群」の疾病リスクが減少することが判明した他、男性の50歳未満では5つの泉質の温泉すべてにおいて、「痛風」の疾病リスクが有意に減少することがわかった。

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