「フェムケア・フェムテック」異業種から参入続々 商材ラインアップも多彩に

業界動向

女性の健康課題の解決をサポートする「フェムテック・フェムケア」市場への他分野からの参入が続いている。

化粧品・日用品の卸商社(株)あらたは、オリジナルのフェムケアブランドを展開するグループ会社(株)D-Neeコスメティックを立ち上げ、今月デリケートケア「MOIDITE」を発売した。同社はイオングループと協業し、今年6月から全国約130店舗にフェムケア売り場を設置している。棚には自社ブランドを含めたフェムケア製品が並ぶ。「現在の生理用品の棚などは、女性の観点からつくられていない。今回そうした売り場を変えるため、イオンと協力した取り組みを開始した」とブランド担当者。現場の消費者の声を集め、新たな売り場づくりにつなげたいと話す。

電子部品やカーナビなどを販売する電機メーカーのアルプスアルパイン(株)は、産休後、仕事に復帰した女性社員が実際に感じたことをもとに、骨盤底筋のトレーニングをサポートするデバイス「ペリノス」を商品化した。商品開発段階から社内でも様々な意見が出され、さらなる新商品の開発にもつながり、今年、経済産業省のフェムテック等サポートサービス実証事業にも選ばれた。

ジャパンローヤルゼリー(株)は今年5月にフェムケアブランドを立ち上げ、入浴剤を開発した。肌に優しい弱酸性でデリケートゾーンをケアするとともに、香りによるリラックス効果を促す。「“フェムケア”という言葉にハードルを感じている人もいるため、気軽にはじめやすい入浴剤を開発した」と担当者。入浴剤を導入として、同社の強みであるチュアブルタイプのサプリメントを提案につなげたいと語る。

パラマウントベッド(株)は、睡眠が女性特有の健康課題に影響を及ぼすことから、睡眠センサーを設置し、アプリで睡眠の状態がチェックできるベッドを開発し、フェムテック市場に参入した。これまで高齢者向けベッドの販売がメインだったが、2015年頃から若い世代向けのベッドを開発をスタートさせており、新たなコンセプトとして、今年から本格的にフェムテックへのアプローチに着手しているという。

参入企業の増加にともない、製品やサービスのバリエーションも増え、女性の健康をサポートする市場は新たな拡がりを見せている。

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