「温活」「腸活」「眠活」「骨活」「筋活」を入口に ~あなたの美容・健康にアクセスしてもらう~

業界動向

長引くコロナ禍による健康意識の高まりで、健康なライフスタイルに注目が集まる。いま様々な〇活を入口として、一人ひとりの健康・美容課題に応えるサービスや製品を提供する流れが生まれつつある。単なるブームでない生活の中での消費につながっていくことが期待されている。

「〇活」ブームで広がるビジネス

いま「腸活」や「温活」などの「〇活」をテーマに、百貨店やセレクトショップ、ドラッグストア、コンビニに至るまで、特設の棚を設ける店舗も珍しくない。「〇活」テーマで編集され、食品や雑貨、機器などジャンルの垣根を越えた幅広い製品が陳列される。ロフトでは日々の生活に取り入れやすいトレーニングツールを集めた「ロフトレ」や快眠グッズをそろえた「SLEEP TO BEAUTIFUL」、冬に向けた 暖 め グ ッズ を 取 り 揃 え た「WARMSTYLE」など、毎年様々なキャンペーンを展開し、注目を集めている。またファミリーマートでは、米の 40 倍の食物繊維を含む「腸活」食材スーパー大麦「バーリーマックス ®」を使用したPB シリーズを展開。累計販売数は昨年末で 2.2 億食を突破した。
エステティックやフィットネスなどの施設においては「〇活」をうたったメニューや専門を標榜する施設まで登場している。コナミスポーツでは健康習慣を提案する『カラダ活活いきいきプロジェクト』で「温活フィットネス」、「腸活フィットネス」
などの独自プログラムを提供。(※現在は終了)ホテルや旅館ではリトリートプログラムやリトリートツアーの提供も増えた。伊豆に 3 つの施設を展開する「やすらぎの里」では、胃腸を休め、脳疲労を解消する断食プログラムを行っており、口コミで話題となり、リピーターも続出しているという。いまやインターネットで検索すれば多彩なサービスが続々ヒットする。
プロラボホールディングスでは「麻布 黒しゃり」、「麻布 肉しゃり」に続き、外食の新業態「Pro Labo CAFÉ」を今年4 月にオープンした。腸にやさしい素材を厳選し、より気軽に手頃な価格で自社製品を体験してもらえる店舗としてスタートさせた。同社は昨 年 7 月に「THE PROLABO SAUNA(ザ・プロラボサウナ)」を開業しており、「腸活」「温活」の両面から内面美容に取り組む。
地域の取り組みも進む。「免疫力日本一宣言」を掲げる大分県別府市は、昨年温泉入浴に関する実証実験を行い、温泉入浴で腸内細菌叢が変化し、疾病リスクを軽減させるとの結果を発表。昨年 12 月から今年 1 月にかけて㈱明治と連携し、『別府 温泉腸活プロジェクト』として、市役所や温泉施設、スーパーマーケットなど、市内 30カ所以上を拠点に「温泉腸活入浴法」「腸食レシピ」「腸活エクササイズ」とともに、ヨーグルトの無料サンプリングを実施した。また同市の鉄輪温泉では、高温で噴出する鉄輪温泉独自の温泉天然蒸気を活用した「地獄釜」をはじめ、土地の恵みを活かした「食治(しょくじ)」による湯治体験と腸活を組み合わせた「腸活×温泉で「ととのえる」ワーケーション」を企画した。

腸・冷え・睡眠などの機能性食品増加

富士経済によると2022 年の機能性表示食品の国内市場規模は 5,462 億円(見込)で 21 年比で 24.0%増加。幅広いヘルスクレームの機能性表示食品が登場し、市場を賑わせている。中でも乳酸菌を関与成分とする特定保健用食品及び機能性表示食品は、21 年比 9.5%増の1,939 億円(見込)で、腸内環境をはじめ、睡眠、ストレス緩和、免疫機能維持など、幅広い機能性のヘルスクレームに対応する。
これまでに腸内環境の改善に関連する機能性表示食品の届出は 452 件(機能性関与成分:各種乳酸菌、各種ビフィズス菌、イヌリン、大麦β-グルカン等)、睡眠関連では 498 件(機能性関与成分:GABA、グリシン、L- テアニン、ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン等)、冷えの改善では 139 件(機能性関与成分:ブラッグジンジャー、ヒハツ、カカオポリフェノール、ターミナリアベリリカ等)骨の健康では 307 件(機能性関与成分:大豆イソフラボン、グルコサミン、 β-クリプトキサンチン、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン等)、筋肉の維持では124 件(機能性関与成分:HMBカルシウム、GABA、必須アミノ酸、クレアチン等)に上る。(4 月 20 日現在)今年に入り、㈱新菱の高濃度水素ゼリーが、「水素分子」を機能性関与成分とする機能性表示食品として届出が受理された。「水素分子」を機能性関与成分とする製品は初めてで、「ストレスを抱えている女性の睡眠の質(睡眠時間延長感)を高める」をヘルスクレームとして訴求する。今年 6月から同製品はリニューアル発売予定だ。
健康食品やサプリメントは日常生活に気軽に取り入れるものとして人気が高く、機能性非表示食品市場は今後も引き続きの拡大が予測される。
加えてマルチヘルスクレームにより、他社製品との差別化を図る製品も登場する。ヤクルト「ヤクルト1000」、アサヒグループ「ココカラケア」は、睡眠の質向上、ストレス緩和、腸内環境の改善のトリプルヘルスクレームで、睡眠と腸内環境それぞれをサポートし、森永製菓「ココアの力<CACAO70>」シリーズは冷えの改善と整腸作用、井藤漢方製薬「熟すやナイト プラス温」は、睡眠の質の向上と血流改善による体温維持のサポートなど、複数の機能性をもった製品が注目を集める。

DIET&BEAUTY初夏号抜粋。記事の続きは「読者登録」で読むことができます! ⇒こちらから

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