【連載・全3回】韓国でウェルネスとビューティーの祭典、2023チェジュ国際セラピー産業EXPO開かれる ①

連載

11月10日から13日迄、韓国チェジュ島(済州島)ソギポ市(西帰浦市)で「2023チェジュ国際セラピー産業エクスポ」が開催された。筆者はこのイベントに参加する機会を得たので本メディアをお借りしてレポートする。(著者 / 早稲田大学招聘研究員 元新潟県産業労働観光部参与 河合雅樹)


チェジュ島は朝鮮半島沖に位置する面積1845平方kmと比較的大きな島、中央には標高2,000m級の山があり裾野が広がっている。これといった製造業が無く観光が主な産業だが、近年韓国観光客が日本や東南アジア等へ行くようになり、さらにコロナ禍で観光客は激減した。コロナ禍前には、中国系資本によるリゾート開発が進み、ウェルネスをテーマにした高級リゾート計画も着手されたが、昨今の中国不動産業界の景気後退で開発は予定通り進んでいない。

そこで、済州道政府は、海洋や森林、観光、農業等の地域資源を活用したセラピー産業をチェジュの新たな産業として推進することを決めた。今回の催しは、そんな背景から韓国で初めての試みとして道政府が開催したものである。

イベント名は、2023チェジュ国際セラピー産業エクスポ(2023JEJU International Therapy Industry Expo)、主催はチェジュ特別道自治道(地方政府)、済州テクノパーク(地方政府の産業支援組織)、後援は韓国政府海洋水産部、済州開発公社、済州観光公社等。実際の企画は社団法人韓国セラピー協会が道政府の委託を受けて行った。会場は済州のリゾートエリア中文地区に立地する済州国際コンベンションセンター、最終日にはコンベンションセンターから車で1時間半ほど離れた漁村でセラピーフェスティバルが開催された。

韓国におけるセラピー産業とは、我が国で言うウェルネス・ビューティー産業であり、当メディアが対象としている分野と概ね同じである。

開催目的は、1.海洋、森林、農業、観光のセラピー産業の専門家や企業の事例報告と展示、2.セラピー産業の指導者育成による地域連携と地域の理解の促進 3.専門家、企業、地域住民の情報交換である。

具体的には、道政府や中央政府関係者による式典、韓・仏・タイ・日四カ国の専門家による基調シンポジウムと韓国内の海洋、森林、農業、観光の専門家等合計14人の発表による4つの分科会で構成される国際フォーラム、セラピー産業指導者の公開された資格検定試験、若いセラピー産業従事者の技能コンテスト、地域住民も参加するウォーキングやヨガ、マッサージ、ハーブティー等の体験プログラム、そして最終日には住民が多数参加するフェスティバル(お祭り)が開催された。会期中はコンベンションセンター展示場に、数十の展示ブースが設けられ、体験や商談が行われた。

<連載②に続く>

【プロフィール】河合雅樹(かわい まさき)

早稲田大学招聘研究員。2016年迄新潟県産業労働観光部参与として健康ビジネスや地域産業振興に関わった。元食品機能性地方連絡会幹事。

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