地域の収益を拡大する「デジタル田園都市国家構想」実現へ

業界動向

政府が閣議決定した今年度の観光白書が10日に発表された。ポストコロナに向け、ワーケーションや第2のふるさとづくり(何度も地域に通う旅、帰る旅)、「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりなどの取り組みを報告する。そうした中、デジタルの力で効率的に旅行者の消費拡大や再来訪を促進し、地域の収益の最大化を図る「デジタル田園都市国家構想の実現」もその一つだ。

コロナ禍でデジタルインフラの整備が急速に進み、テレワークをはじめとしたデジタル技術の利活用が浸透してきている。スマートフォンの普及により旅行・宿泊予約のオンライン化も進むが、一方で、業種別に見たとき、事業者の人材不足や費用不足、必要性が認識されていないこと等から、観光業は他業種に比べてDX化が遅れているという。そうした取り組みの遅れにより、顕在化してきた各種課題に対応するべく、デジタル実装の推進を掲げる。

事業者や地域づくりの法人が中心となって実際に行っている取り組み等も紹介している。「旅行者の利便性向上・周遊促進」施策としては、スマートフォンの位置情報を活用したサービス提供や市内の店舗をホテルのカードキーでキャッシュレス決済できるシステムの導入。「観光地経営の高度化」では、独自のポイントカードによる利用データの収集分析とCRM (顧客関係管理)を活用した食の新メニューや体験コンテンツの開発、宿泊施設・顧客情報のデジタルデータを活用した会員向けサービスの展開などを例に挙げる。

同白書では、こうした事業者を中心に地域全体が連携していくことで、地域内の生産額の向上や雇用の質の向上に繋がっていく、と取り組みの重要性を示唆している。

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